平成21年8月27日木曜日

Folha de São Paulo 社説 2009年8月4日

実績評価 

Serra政権の最近の教育政策は民主社会党政権の14年間の乏しい経歴をカバーする試み

 14年間もサンパウロ州の政権を握っている民主社会党(PSDB)は教育分野ではよい結果を残せていない。学生と教員、どちらをを対象にしても調査が教育の悪質を明らかにしている。
就学率を上げることには成功を見せているにもかかわらず、教育の質に関しては成果がほとんどない。「教育開発指数」をはじめとする調査方法の開発が遅かったし、教育区長など大事な部署は政治的基準で埋めたりした。今、サンパウロ州の教育局は教員のキャリア昇進方法を変更する法律を起案する。同案は最近二年間に実施されてきたまたは計画中の対策(SP州「教育開発指数」の作成や基礎教育のシラバス策定、皆勤手当の導入、非常勤教師と教育区長対象の審査など)に加えられるものである。
 これから議会にまわる政府の立案の内容とは、教師に12年の間に4回試験を受けさせることである。基準点数に達した教員は給料が25%の増額される。最初の給料から昇給するためには100点の内60点を取らなければならない。最高給料に至る点数は90点。欠勤・遅刻の数や同じ学校に従事した期間も計算に入る。政府は、現在の教員の2割程度が基準点数をとれると予測する。不合格のものは経歴と資格に基づいた従来の給料調整の対象となる。
 サンパウロには非常勤の教師が非常に多い(23万人内10万人)。年当初に政府が行った評価試験では、1500人の点数はゼロだった。50点に達したものは全体の半分にも満たなかった。
試験の過程はややこしく、解答漏れなどの告発があり、試験の妥当性まで受験者からの訴訟の対照となり、教育局と教員ユニオンの間に摩擦が発生し、授業にも影響があった。
残念ながら教師ユニオンの体制は大抵保守的で、功労を優先する変更に反対しがちだとも言わざるを得ない。
 サンパウロ州の恥ずかしい教育状況を正すSerra政権の対策は良い方向に進んでいるが、改善すべきところがまだある。
 新しい給料制度の場合は、学生の成績も一つの基準になるのが望ましいと考えられる。その他、更に良い結果が出るためには授業時間の増加、課外活動の向上や教育設備の改善にも取組むべきだ。

サンパウロ州 教師の月給、7000レアルまで可能に

Folha Online 2009年8月3日

サンパウロ州José Serra知事は4日、州立校教師の月給をR$7000(約36万5千円)、校長の月給をR$8000(約41万5千円)まで引き上げることを可能にする議案を州議会に上程した。この金額は現在の教師、校長の最高月給の2倍である。
その給料に達するには、教員は多数の試験に合格し、きちんと出勤し、同じ学校に少なくとも三年間勤務することが条件である。目的は州政府が教員の異動頻度や欠勤の低下、教員による自己研鑽の奨励などである。
最高給料に手が届くまで教員は12年の間に、3年ごとに試験を受ける必要になる。試験に合格した教員の月給は25%上がる。しかし次の試験の合格基準点数も上がるので難度が段々と高まっていく。初回の基準点数は100点の内60点だが、最高給料を取得する基準点数は90点になる。
教員のための試験対策研修も考えられている。
受験は義務にはならないが、試験を受けない場合、教員は資格と職歴に基づく従来の昇給制度を受け取るしかない。現在、週間40時間勤務に当たる最高給料は約R$3100(約16万円)である。
教育は民主社会党(PSDB)政権の弱点の一つとして指摘されている。高校卒業生の大多数は読み書きさえ上手くできない。今年、政府は教員採用試験に合格した受験者が実際に教員になる前に最低4ヶ月間研修を受けることを義務付けた。