平成22年5月25日火曜日

SP州官房儀典課クリスティネ・スター、31年後の異動、連絡チャンネル変わる

外国政府及び自治体との連絡を担当していたサンパウロ州官房儀典課のChristine Starr(クリスティネ・スター)国際担当課長補佐は5月上旬に儀典課を離任し、官房文化芸術資産課へ異動した。儀典課では31年も務めたクリスティネ氏は、前儀典課長ブラジリア・デ・アルーダ・ボテリョ氏、現課長クラウジア・マタラゾ課長の補佐として、富山県・サンパウロ州友好提携25年の歴史、その全てを経験した唯一のサンパウロ州職員であった。
現在、外国政府及び自治体等との連絡を担当しているのは、国際担当知事補佐である。現任期ではPaulo Elias Martins de Moraes(パウロ・エリアス・マルティンス・デ・モラエス)顧問がその席にいる。同顧問は外交官であり、その肩書きは、ブラジルの外務省職員キャリアの中で、トップ(大使)から三番目に当たる。
富山県はサンパウロ州との友好提携を締結した当時、富山県との連絡窓口は官房儀典課であったが、州の国際交流が活発になった流れとして外務の面で知事を直接支援するために「国際担当知事補佐」が採用された、とパウロ・エリアス顧問が説明する。

平成22年5月19日水曜日

技術開発のネック

―サンパウロ州の技術開発はラ米トップレベルだが、世界に輝くには高校の問題を乗り越える必要がある―

 サンパウロ州は、ブラジルの人口の21%、同国GDPの31%を占めているが、ブラジルの科学研究成果の50%がサンパウロ州から出ている。州立大学の予算は州の予算の一定の割合であることや研究支援基金の存在などがその成果につながる。
 徴収は安定しているので、サンパウロ州が技術開発に投資するGDPの割合は全国平均より大きい(1.52%対1.2%、2008年)。また、公的資金への依存も低い。2008年には、サンパウロ州のR&D資金の62%が民間企業から出資された。
 以上のよい数字にも関わらず、州の科学研究開発にはネックが見える。サンパウロの成果はメキシコとアルゼンチン、チリよりも大きく、ラテンアメリカの中では輝かしいが、舞台が世界になると、その明るさが大分落ちる。例えばサンパウロ州とおなじ位の人口の韓国やスペインのR&D成果は同州の3倍である。
 サンパウロ州の研究者一人当りの成果(発表される論文等)は韓国にもスペインにも近いので、問題は効率性ではないことがわかる。サンパウロ州の問題は「量」である。州民1000人当りの研究者の数は0.8人(ラテンアメリカの平均とほぼ同じ)である。従って、韓国やスペインのレベルに昇るには、研究者人数を3倍も増やさなければならない。
 一方、科学研究支援基金の科学理事Carlos Henrique de Brito Cruzによると、サンパウロ州では高等学校を卒業する人数は、大学の定員を上回っていない。更に、19歳まで高校を卒業する学生の割合は3分の2に過ぎない。基礎教育開発指数もサンパウロ州の3.4は東南部地方の平均(3.7)よりも、全国平均(3.5)よりも低い。サンパウロ州では1995年から2008年の間に研究者の数は25,000から50,000に増加したが、そのペースを維持するには高校教育のネックを解決しなければならない。このままでは、サンパウロ州における科学研究は危険な状況に置かれる。
(Folha de S. Paulo 4月14日 社説)