ブラジルは「タバコの規制に関する世界保健機関枠組条約」の締約国であり、1996年の同条約締結以来、タバコ広告の制限やタバコの箱に警告文を掲載する等、タバコ規制に関する措置を段々と厳しくしてきている。
ブラジルのかなりインパクトの強いタバコ規制措置の一つはタバコの箱に掲載される写真と警告文である。初めての写真掲載は2002年であり、当時使われた写真10枚のセットは2004年、2006年に更新されたが、2006年の10枚はCG技術等の利用により人々にかなりの嫌悪感を抱かせるものとなっている。「Google画像」などでimagens macos de cigarroを検索すればその写真が見られる。写真に伴う警告文章も、最初は「喫煙は肺がんを起こす恐れがある」程度でしたが、現在は写真の上部に「苦痛」を、下部に「ニコチン依存症は悲しみ、痛み及び死亡の原因となる」のような文章になっている。
サンパウロ州では、今年5月から州内全域で、「完全にまたは部分的に壁などで囲まれた、公営または民営の共用の場所」では喫煙が禁じられている。具体的に言うと、壁が一面でもある場所なら禁煙になっている。「喫煙室」の存在も認めない。住宅やホテル客室は「共用」の空間ではないのでこの規制の対象ではないが、ホテルの場合、経営者は規制に関わらず、タバコが嫌いな客が増えつつあることに応じて、部屋を「禁煙室」・「喫煙室」に分けている。全館禁煙のホテルもある。
州民は規制を幅広く支持しているようだ。州の調査によると、州民の88%が今回のタバコ規制を支持していることがわかった。さらに、喫煙者のみの支持率を調べてみても64%という高い数字が出ている。
サンパウロ州の新しいタバコ規制導入の議論が進むなか、今年1月から4月末までのDisque(ジスキ)-Saúde(サウージ)(ブラジル保健省の電話健康相談窓口)で受けた相談の大半はタバコの害やタバコをやめる方法についてだった。
ブラジルにおける喫煙者割合は1996年の33%から現在16%にまで減少している。
タバコ規制枠組条約をブラジルで運用する国立がんセンターは次の対策として、警告写真をタバコの箱の前にも載せるよう法律を改善する計画がある。
José(ジョゼ) Serra(セーハ)サンパウロ州知事はタバコ規制に大きな関心を持っている。Serra知事はタバコ規制条約を署名した後の1998年に保健大臣に就任し、保健大臣として警告写真の義務付けなどに努めたが、今回、ブラジルで喫煙室をなくした初めての州知事となった。
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