平成21年7月27日月曜日

ブラジル、BRICsのトップか

(7月20日Folha de Sao Pauloより Luiz Carlos Bresser-Pereira著 エヴェルソン訳 原文はこちら

ブラジル、BRICsのトップか
ブラジルは「手本」とされているが、称賛は要注意なのでは

G14に参加予定のブラジルは「世界の一流」の仲間入りをはたしたと言われているが、私はそのような発言を心配する。世界各地へ出張する私は、ブラジルやブラジル大統領に贈られる称賛をこんなに見たことがなかった。ルラ大統領の成功は嬉しいことだが、称賛がこんなに多いことには疑いを抱く。
BRICsの話が出てきた1990年代からブラジルはお世辞を受けるようになった。いきなり「新興大国」とされ、中国及びインド、ロシアの仲間になった。1億9千万人の人口のお陰で。中位の収入の国だから。ま、分からないことではない。
しかし、世界のGDPの1%ちょっとしか占めていないことは変わっていない。
なのに何で世界はこんなに騒ぐのだろうか。特に気になるのは、ニュースをよく見ると、ブラジルはBRICsのベストワンと、世界中のマスコミと世界の権力層によって一番ほめられる国になっていることだ。他の三カ国はその権力増2にとっては国家主義過ぎるようだ。ロシアは、オバマの最近の友好的な訪問にも関わらず、「敵」のイメージがまだ残っている。中国は「恐ろしい競争相手」だ。インドは、「改善を行っていない国」だ。ブラジルが手本になっている。ブラジルの通貨政策は先進国からの指導をキチンと守っている。先進国にとっては我が国は大成功だ。
しかし我々ブラジル国民は国が成功したとは言えない。1996年からブラジルの平均GDP成長率は他のBRICsの半分にも及ばない(ブラジルが3%であるのに対し、ロシア、インド、中国は7%)。「それはブラジルの成長率の限度だろう」、というのは金持ちの競争相手の説明である。そう考える必要はないと思う。他に言われるのは、「1980年~1984年の間にあんなに高いインフレにあったブラジルにとっては、充分な成長率ではないか」、と。成長がインフレに繋がるわけではないので、「充分だ」と言えない。僅かな成長率に関わらず利益を上げる少数のブラジル人にとっては充分かもしれない。
とにかく成長率の一年当り4%の損は13年が経ったら65%の損となる。平均的に、一人当たりのGDPが他のBRICsと同じ率で成長していれば、ブラジル人の収入は現在の値より65%大きいはずだった。お世辞を信じず、他国の指導に従うより我々の課題にもう少し集中した方がよいだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿